Thursday, February 28, 2013

My work(children's story) ~1'~ 岩の上のイノシシ


  I show the first draft of "The wild boar on the rock" for Japanese
learners. This is shorter than the last story, "A white cat".
But, I'm afraid the expression is confusing...The story telling sounds like old stylish.
Because the setting of this story is old age, I wrote in that way.
As you see the first sentence, そうな means, "I heard that  " It is the narrator's voice. 
 It sounds old stylish, so we don't use in daily life.

 I didn't assume that this first draft would show here.  I did not know viewers 
want to read Japanese draft. I am surprised to know that. And I am glad.
すごい!!  I have heard that foreign people are eager to know something about 
Japanese language. Hopefully I want to write  something about language more 
on this blog in the future.  

 English translation:
http://kamesamajapankamesama.blogspot.jp/2013/01/my-workchildrens-story-1-wild-boar-on.html


杉太郎=Sugitaro   person's name
太助=Tasuke person's name
熊石=Kumaishi  This is a stone I named.


岩の上のイノシシ

ある村に、杉太郎という男がいたそうな。杉太郎は、茶色の麻をつぎはぎだらけにした服をきていて、だれがみてもみすぼらしい男に見えたんだと。村人は遠くからでも、その服を見れば杉太郎とわかるものだったから、みな笑いものにしていたそうな。
そんな杉太郎だったが、まい朝村のはずれにある石の神さまのところへ掃除に出かけるようにしていたそうな。石の神さまは立ち上がった熊のように大きかったもんだから、熊石と呼ばれていたんだと。熊石は山にすむ生き物を守っている神さまだとか村人は話していたが、あまりにもかたちが恐ろしいもんだから、だれも熊石のところへ行かなくなってしまったんだと。
「ああ、オラが死んだらこの神様のところを掃除する人がいなくなってしまうな。どうしたもんだべ。」
杉太郎は熊石のまわりをきれいにし、花をそなえてあげた。そして、山奥にある畑にでかけた。毎日そんなことをしていたんだと。
さて、その村には、太助という、たいへんすばらしい狩人がいたそうな。太助は決してえものを逃さない。遠くのほうにいるウサギにねらいをつけて、ひょうっと弓矢を放つと、たとえどんなにすばしっこくうごいていても当てるのだった。そのうでまえはとなりの村の人まで知っているほどだった。そして、村人はみな、太助を殿様(tonosama = a lord)のようにほめたたえた。

 その太助が山へ狩りに出かけた。その日はとくべつな日だった。というのは、太助はそれまで95匹ものえものをはずすことなくしとめていたのだった。村の人は、いつまで太助がえものをはずさずにしとめられるのか、ひと目見てやろうとぞろぞろとついてくる。狩りが始まると、さっそく太助は4匹のうさぎを次から次へとしとめた。
「わー!」
村人は遠くから太助の狩りを見てさわいだ。
太助はとくいになった。
「見たか!オラほどすげえやつはこの世の中にいないぞ!」
「わーっ!」
 村人はまたさわいだ。
 太助は、いくつもの岩があるところに一匹のイノシシがいるのを見つけた。見ると、毛並が立派なイノシシだ。毛の色は黄金のようにかがやいていた。
「すばらしいイノシシだ!見てろ!」
 太助はすばやく山の小道をかけあがり、イノシシの後ろの方にある木のかげにかくれた。太助はそおっと近づいていき、弓矢をかまえた。太助を遠くから見ている村人もみな静かになって助けを見ていた。太助が弓矢を放とうとした、そのときだった。
ピーピーピー!
口笛がどこからか聞こえてきたのだった。
黄金の毛をもったそのイノシシはびくりとして、こかげの方に走っていった。太助は逃すまいと弓矢を放った。放たれた弓矢はイノシシの後ろあしあたりにあたったが、イノシシはそのまま走ってどこかへ行ってしまった。村人はみんな、ため息をついた。
太助は、真っ赤な顔をして太助を見ていた村人の方を見た。
「だれだ!オラのじゃまをしたやつは!?でてこい!がけから落としてやる!」
 村人は怖くなって静かになった。
 太助はじゃました者が見つからないことをくやしがった。そして、しかたなしに村人たちと村へ帰ろうとしたそのとき、岩場の近くにひとりの男が立っているのを見つけた。畑しごとから帰ってくるところの杉太郎だった。
「杉太郎、おまえがオラのじゃまをしたんだな!」
「太助どん、あの黄金色したイノシシには小さな子どもがいる。あのイノシシを殺しちゃだめだ。」
 太助はそれを聞いてもっと顔を真っ赤にして怒りだしわめいたが、杉太郎は家に帰ることにした。
 このことがあってからというもの、村人たちは杉太郎とまったく口を聞かなくなってしまった。なんでも、杉太郎と話していることが太助に知られると、その村人はなかま外れにされてしまうらしい。杉太郎は何を聞いても村人たちが逃げていってしまうのでほとほとこまってしまった。とはいっても、どうすることもできないのでいつものとおり畑しごとをするしかなかった。

 それから数日後、杉太郎がまた掃除をしに熊石のところへくると、足をけがした一匹のイノシシが石のそばでたおれていた。
「あんれま。おめえさんは、このあいだ、太助どんにやられたイノシシでないか。こんなケガをして、よう死なずにすんだな。」
 ちいさな鳴き声がするので、杉太郎がしげみの方をみると、小さな子どものイノシシが四匹いた。
「あれ。やっぱり、おめえさん子どものイノシシを持っていたんだな。オラは当たっていたな。かわいそうに、ちょっとまってろ。」
 杉太郎は着ていた服をびりびりとやぶいて、イノシシの傷ついた足にまいてやった。
「しばらく、飯を探すのもたいへんだろう。」
 杉太郎は昼飯のために持っていたにぎりめしを半分イノシシにわけてやった。
「あまり、人のいるところへ来るんじゃないぞ。村の人は狩りをやるのが好きだからな。」
 そういうと、杉太郎は畑しごとをするために、畑の方へと歩いて行った。

 それから月日がたち、冬になろうとする頃のことだった。村で村人の一人が山でとったウサギを食べて死ぬ出来事がおこった。それからというもの、恐ろしいことに次から次へと村人が病気にかかり死んでいった。みな、とつぜん顔を白くしてたおれて死んでしまう。たくさんの老人、こどもが死んでしまった。太助の家にもおじいさん、おばあさんがいたが、二人とも病気にかかって死んでしまった。さらには、太助とその嫁のあいだにできた子どもまでが病気にかかってしまった。こんなさわぎになったものだから、村は狩りどころではなくなってしまった。
「おそろしい。このままでは村がつぶれてしまう。どうしたもんだろうか。」
村人はおそろしくなってしまった。そして、だれもがどうしたらよいのかわからなくなってしまった。村はしんと静まり返ってしまった。
 夜もふけたある晩のことだった。村人がひっそりと寝てしまったころ、村の小道をコトコト音を立てて走り去っていくものがあった。その音はどこからか聞こえたかと思うと、あっというまに家の前を過ぎていってしまうものだった。
 コトコトコト…
 コトコトコト…
 山から下りてきたシカでもいたんだろうか、などとうわさする者もあった。しばらくすると、足音が聞こえた日に、イノシシの親子が村の小道を走っていたのを見たものがあらわれた。村人たちは、足跡の主は黄金の毛を持ったイノシシだったとうわさするようになった。足音が村中で聞こえたそのあくる朝から、不思議(fushigi =mysterious)なことに、村人がはやりの病気で死ぬことはなくなった。太助の子どももどうにかこうにかぶじ死ぬことはなかった。やがて、村人たちは、そのイノシシは神さまで村にまよけ(mayoke =a good-luck charm, keep evil spirits away )のためにやってきたのだったにちがいないと話すようになった。

春になり、狩りの時期になった。太助はまた狩りの時期になったことをよろこんだ。そして、いつものように山に狩りに出かけた。村人たちは、また太助のみごとな狩りがみられると、ぞろぞろとついていった。
さて、太助がいよいようでまえを見せるときがきたと弓矢を持ってあたりをぐるりと眺めると、木の間を走り岩の上に上る生き物がいた。あの、黄金の毛をもつイノシシだった。太助と村人はしずかになった。
「あれは、オラたちの村をたすけてくれた神のイノシシでねえか。」
「太助様、あのイノシシに弓を向けないほうがいいんでねぇか。」
 村人たちはざわざわ話した。
 太助も、今日は弓をかまえることはなかった。
 岩の上のイノシシはりんとして木の芽がはえはじめている谷の木々を眺めていた。せなかの毛は黄金にかがやいていた。
「あのイノシシは、足に何かまいているな。」
「ああ、あれは杉太郎がいつも着ていた服だ。」
 村人たちは、昔太助が黄金のイノシシの足を射た(ita = hit by arrow)ときに、杉太郎が助けてやったんだにちがいないと思った。
それからというもの、村人は杉太郎を笑うことはなくなり、いっしょに村の祭りをやるようにもなったんだと。太助の方も、なんだか杉太郎にもうしわけなくなって、家の食い物だの服だのをくれてやったんだと。村人は、熊石のことを大切にするようにもなり、遠くの家からやってきて掃除をして、おそなえものをする人も増えたんだとさ。今では、その村には、らんぼうな狩りをする人もいなくなったとさ。

4 comments:

Saku said...

どうもありがとうございました!m(_ _)m

marimari said...

がんばって読んでください。

markus said...

Oh, this was so difficult for me to read! It was first time reading about hunting etc in Japanese.. means lot of new words. Anyway, it's good for learning! I think I'll save this and try to read it through every now and then.

marimari said...

To markus

がんばれ!!
If you need my help, don't hesitate to ask me. I will explain all of the things.