Sunday, February 24, 2013

My work(children's story) ~2'~ 一匹の白いねこ

  For Japanese learners, I attach the first draft of "A white cat".
It is written in Japanese. There are some Kanji, which seems to be difficult to read.
So, I corrected. The dialogue is old stylish. So, it may sound different for you.
  If you can't guess the meaning, please ask me. I did not plan to this draft written in Japanese.
So I am afraid there are many parts that Japanese learners feel hard to understand.
If I really show this story to children, I would need to write "kana"next to Chinese character(Kanji)
to show the pronunciation.



一匹の白いねこ

 

あるお寺にたいそう、みすぼらしい和尚(Osyou= the monk)がいたそうな。そのお寺は夏の終わりにやって

きた台風(Taifuu= typhoon)のせいで屋根(Yane= roof)がこわれ、入口の戸はとばされてしまっていた。お寺がすっかり壊れて(kowarete= broke)しまったものだから、お寺に来る人もへって、葬式(sousiki = funeral)になっても誰も和尚のところに来なくなってしまった。

「あーれま(Oh, deer...)。おらのところに誰も来なくなってしまった。これでは、おふせ(ofuse = offering)はもらえないしこの先どうやって暮らしていったらいいかわからねえ。こまったものだ。」

 このお寺は山のてっぺんにあったが、和尚はお寺の境内(keidai =the precincts  )から見える遠くの村を眺めては、そうやって悲しむことが多くなった。しかし、それでも和尚は毎日朝早く起きては、庭を掃除したり、お経(okyou=sutra)を読んだりして暮らしていた。

 

 ある日、和尚が朝早く起きて境内で掃除をしていると、一匹の白いねこが石の階段の上に座っていた。和尚は、見慣れないねこだったから思わず話しかけた。

「おめえさん、ここらじゃちっとも見ないねこだなあ。どっからきたんだい?」

「おらは、あの世からきたねこだ。」

和尚はさびしかったものだから、つい話しかけたが、その白い猫は人間のように話すものだから、たいそう驚いた(odoroita = got surprised)。

「おめえ、人間の言葉をはなすのか。」

「ああ。ねこならどのねこだって人間の言葉をはなすさ。世の中のねこは、人間の言葉をただ話そうとしていないだけなんだよ。みんな人間は、人間の言葉なんてわかるはずないと思って真剣に(shinkenni=seriously)話しかけないから、ねこも話さない。」

「そうか、ねこっつーのは人間の言葉を話せるのか。知らなかったな。」

ねこは、とつぜん(totsuzen=Suddenly)ぴょんと飛び跳ね空中で一回転するとまた着地した。すると、不思議なことに和尚のお腹あたりが温かくなった。和尚が何かと思ってお腹の辺りに手をのばすと、そこに温かいおにぎり(onigiri= http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Onigiri.jpg)があった。

「そりゃ、あんたにあげるさ。」

和尚は、腹が減っていたので少しうれしかったが、それよりも、ひさしぶりに話をすることができてうれしくなった。

「おめえさん、あの世から来たのか。おらはこれまでずっとお経を読んだりしてあの世のことを思っていたけれど、あの世からねこがやってくることがあるなんて知らなかった。そうか、もしかしたらこれがお迎えってやつかもしれない。おらは、そろそろ死ぬんか?」

ねこはせすじ(sesuji=back or spine)をぴんと伸ばして言った。

「ああ、そうだね。おめえさんはもう少しで死ぬことになっている。おめえさんは気づいていないが、だいぶ体もこわれている。」

「そうか。そりゃ、しかたないというものだ。わしもだいぶ年とった。不思議な(fushigina = mysterious)力を持っているあんたの言うことだから、きっと正しいに違いない。しかし、わしにはお菊(okiku = the name of woman)という娘がいる。たいそう昔に村に嫁いだのだが、今はどこに住んでいるのかもわからぬ。一目みてからあの世に行きたいのう。」

「そうか。ならば、ひとつ私のお願いを聞いてもらえないかい?そうしたら、あんたの望みもかなうだろう。」

 白い猫は笑って言った。

「なんじゃ?わしにできることならやるけれど。」

「実は、おらには娘ねこがおって、しばらく前に村の井戸(ido = well)に落ちて死んでしまった。その娘ねこのためにひとつお経を読んでくれないか。」

 和尚は、たいそう悲しい顔をした。

「そうか、そりゃ気の毒だった(I am sorry)。わたしがその井戸のところへ行ってお経を読もう。」

 和尚はそういうと、いちもくさんにかけていって村の井戸に着いた。台風がやってきた後もお経を読むことは毎日かかさずやっていたものだったから、和尚はお経を読むことができた。とちゅう、村の者が、なんだか変な和尚がいると不思議にながめたりもしたが、和尚はかまわずお経を読むことにした。自分の娘がこんな井戸に落ちて死んでしまったらたいそう悲しいだろうと思っていると、本当に悲しくなってきてしまった。そこで、和尚は一番りっぱな長いお経を読むことにした。

 和尚のお経はずっと続き、気がつくと夜がふけてあたりはすっかり真っ暗になってしまっていた。

「あれ、知らない間にこんなに夜がふけとる。これだと、あの山まで帰るのは大変なことだ。ここらに知っている家があるわけじゃないし、どうしたものだろう。」

 いっそのこと、井戸に落ちてしまおうかと思って、井戸の中をのぞいていると、ずっと遠くに光るものがあった。そして、その光はだんだん大きくなってきた井戸の外に飛び出してきた。和尚は思わずたおれこんだが、和尚が何かと思って起き上がると、手元にたいそう大きな金のかたまり(katamari=lump)が落ちていた。

「こりゃなんじゃ」

和尚がその金の塊を手に取ると、そこにまた小さなねこがいた。しかし、ねこはささっと村の小道を走っていってどこかへ消えていってしまった。

「なんだか、不思議なことが多くおこるわい。」

そう言って和尚がねこの走って行った方を見ていると、和尚に話しかける者があった。

「すみません、そこの和尚さん。あなたが手に持っているのは金でございましょうか。」

和尚がふりかえると(furikaeruto = turn around)、そこにたいそう身なりのよい人が立っていた。

「そうでしょう。私がここでお経を読んでいると、とつぜん金のかたまりが井戸から出てまいりました。」

「はっはっは。おかしなことをおっしゃる。そんなことがあるのでしょうか。それより、どうか、その金のかたまりを私に売ってくれませぬか。私はそういう光るものが好きでしてな。」

「そうですかい。しかし、これは私のものではありませぬ。」

「そんなはずはない。これほど高価なものがこんなみちばた(michibata=path)に落ちているはずがない。

あなたのような人がぬすみ(nusumi=theft)をはたらくようにも思いませぬ。どうか、これで・・・。」

 その身なりの良い男は、多くの小判(koban = coin)を和尚に渡し、自分はその金の塊を手に取ってさっさとどこかへ行ってしまった。

 なんだか、和尚はよくわからなかったが、もう夜がふけてしまっているものだから、小判を持ってお寺の方に向かってあるきだした。すると、みちばたにたいそう貧しそうな子どもが寒そうにすわっている。

「おめえさん、だいじょうぶか。こんな寒いところにすわっていちゃ、いけない。」

「ああ、おら家から追い出されてきただ。寒くなんかない。」

「そんなことないだろう。手足がふるえとるぞ。」

和尚は、どうしたらよいものかと困っていると、道に並んだ家の中に呉服屋(gofukuya = a shop dealing in fabrics for kimono)をみつけた。

「ちょっとまっていなされ。」

和尚は、呉服屋の前まで行き戸をたたいて呼んだ。

「おい、呉服屋さん。開けて下さらぬか。高い服を買うから。」

しばらくすると、呉服屋の明かりが灯り、中から人が出てきた。

「こんな夜更けに和尚さんどうしたんじゃい。申し訳ないが店はもうしまっちょる。」

「そうか、悪いが服を売ってくださらぬか。ほれ、金はある。」

呉服屋は和尚から小判を見せられ、そうかと店を開けた。

「じゃあ、これを買ってくださらぬか。」

呉服屋は奥から服を持ってくると和尚に渡した。和尚も手にもっていた小判を渡した。

和尚は服をもらうと、すぐさまさっきの子どものいたところまでかけていき、子どもに服を渡した。

「ほれ、子ども。これを着ることじゃ。これを着れば一晩はしのげる(shinogeru = live up )じゃろう。早いところ家に帰ることじゃ。」

子どもは、服をうけとった。

「和尚さん、ありがとう。おらは金を持っていないが、これをあげる。村の川にかかっている月夜橋(tsukiyobashi = the name of bridge)のところで拾った。」

子どもは、かんざしを和尚に渡すと服を着てどこかへ走っていってしまった。和尚はなんだかどこかで見たようななつかしい色をしたかんざしをしばらく眺めた。そして、あの子どもはこごえないですむだろうと思って、安心して寺の方へと歩き出した。あたりは真っ暗で白い満月(mangetsu = full moon)の夜だった。村のはずれにある月夜橋にさしかかったところだった。なんだか、ざわざわとくさむらが動いていて、和尚は気味(kimi = feeling)が悪くなった。

「なんじゃ、けものがいるのか。」

「はい?」

そのざわざわ動くところから、かんだかい声(kandakaikoe = high-pitched voice)が聞こえてきた。

「人がいるのか。」

和尚がみると、そこにはたいそう色の白い美しい女がいた。良く見ると、だいぶ前にとついだ娘ではないか。

「お菊じゃねえか。」

「ああ、その声はお父様。」

「どうしてこんなところにいるだ?」

和尚は娘にかけよった。

「はい、お父様にいただいた、大事なかんざしをここらに落としてしまったものだから、ずっと昼から探していたのでございます。気がつけばもうこんなに夜がふけてしまいました。」

「そうか、そのかんざしはこれだべな。」

和尚がかんざしを見せると、お菊はたいそう喜んだ。

「いやあ、娘に会うことができた。不思議なことがあるんさな。」

和尚は娘といっしょに笑った。

 

それからというもの、和尚と娘はときどき便り(tayori= letter)をかわし(kawashi = exchange)、幸せにくらしたそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9 comments:

Saku said...

Wow! Thank you!
I'll try to use this for learning, too (^_^)

marimari said...

To Saku

Do you think I should show my work with the draft written in Japanese every time?

Unknown said...

Hm, I don't know many of the kanji here - very cool material for studying - thank you.

I am wondering - how young kids are able to read this - I mean the kanji in this story? I can see some of them on the list that is learned in second grade, but many seem to be higher level?

Sorry, I am still a beginner in Japanese.

marimari said...

To Shantal ForSD

Thank you for leaving your comment. And it is very good question.
If I show this story to children, I would need to correct the dificult Kanji.^^;
You are right.
But if you read this story for children, you don't have to correct those Kanji.
For Japanese learners, maybe it may be good oppotunity to know new Kanji... I hope you accept for such Kanji. We often use the Kanji on this draft in our daily life.

marimari said...

If you have any questions about difficult Kanji, please ask me.

markus said...

I finally got time to read the story in Japanese. Thank you very much for posting it!
There were some kanjis which I needed to check from jisho but I think I understood 95% of the story.

marimari said...

To markus
すごい!マルクス。
すぐに日本語が上達(joutatsu)すると思います。
I will attach the draft written in Japanese when I finish writing my work from next time.
I guess some Japanese learners are welcome to my draft written in Japanese. Thank you for suggestion.

Saku said...

yes yes, please, if you don't mind post the original stories, too m(_ _)m We would be happy to learn more Japanese from your stories! ^_^

marimari said...

To Saku

I am glad to hear that.
By the way, do you use m(_ _)m
in Germany? I guess people don't use that. It must be Japanese sign.